俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
第二話 俺様狼、迷走する。
久々のデート
――翌日。
「はあ……❤かっこいい…❤」
ああ…もう…。
どうせ死ぬなら今この幸せな瞬間がいい…。
「キャーーーッ❤❤❤」
……というピンク色の幸せ気分は、黄色い歓声によってパチンと弾け散った。
「誰、誰!? あの人!」
「モデル? プロだよね、見たことなぁい」
女子高生の集団が、手を取り合ってキャーキャー言いながら見ているのは、そう。
あ・た・し・の、先輩だったりする。
……もっかい言うけど、あ・た・し・の…ね?
そしてその先輩は殺人的オーラを放ちながら写真を撮られている。
「いーねぇー! もっとニラんでもっとニラんで!」
…かめらまんさん。
本気で睨んでるんですよその人。
なにも演技してるわけじゃあないんです。
…こんなことになってしまったのは、当然先輩の本意ではない。
それは、今を去ること三十分……そう、久々にでぇと❤に出かけた直後のことである。