俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
「ええっ? さ、さつじんはんなの!?」
違いますッ!!
どーゆー思考回路してるのこの人!
「そりゃータイヘンだ! …バラされたくなきゃ大人しくやんな、モデル」
「勝手にしろ。そんな事実はねぇ」
全く相手にせずに、怒りオーラを最大にしてさらにあたしの腕を引く先輩。
…はーあ。
せっかく久しぶりにデートできるのに…。
初っ端から思いっきし先輩機嫌悪くなっちゃったよ…。
…あのおじさんなんてそこらの石に蹴躓いてすっ転んじまえばいーんだわっ。
「…ちいせぇなお前」
「身長がひゃくごじゅうしかないからってそれがなんですかぁ!」
「そうじゃねーし」
…違うの?
きょとんとするあたしを見てくすくす笑う先輩。
よかった…。ブチ切れ状態になんなくて。
…と、安心したのも束の間。
「待ってよキミ~。キミほどの人材はなかなかないんだ! 頼む、代役が見つからなくって…」
なおもしつこくまとわりつくこの人に、さしものあたしもちょっとムッとしてしまった。
……たしかにこれ以上ないほどに、モデルはぴったりだろーけどさっ!
そりゃぜひ見てみたいけどさ!