俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
ったく…。
なんで俺がこそこそ逃げ隠れしなきゃなんねんだ。
朝からあっちこっち…。
今なんか大学の裏の森の中だ。
しかしここも見つかった。
「あちょっと待ってよ! あたし達だってば!」
「…あ?」
こいつら……。
「いっやー、お前ほんと人気なのな」
「雑誌なんかに載りゃ当然よ」
けらけら笑いながら歩み寄ってくる男一人と女二人。
その顔に見覚えのあった俺は、幾分息をついて腰を下ろした。
「え? え? なに、知り合い?」
「あれ。篠原…あたし達以外に知り合いいたんだ」
「…どういう言い草だ」
睨みつける俺と三人を交互に見比べて間抜けな面をする薫。
「どーもー。三納雪菜(ミノウユキナ)ですっ」
「あ、あたしはねー丘田友香(オカダトモカ)だよ」
「…………あ俺? 俺広西。広西武人(ヒロセタケト)
そんなアホな薫に順に自己紹介をするこの三人。
実は入学当初から付き纏う、いわば薫の三人バージョンみたいなもん。