俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
「三納さん三納さん! 彼女ってホント?」
「いいいつの間にいつの間にーっ?」
…来た…。
第二弾…。
他の三人が少し離れた隙に、俺と三納を取り囲むように男女問わず大勢が押し掛けた。
「チッ……」
「と、とりあえず逃げよ」
さすがに事の重大さを理解したのか、顔を引き攣らせながらそう言って駆け出した。
「おおーいおおーいっ」
その後ろから、大群を引き連れて追ってくる三人の馬鹿。
「てめぇら…来んな」
「いや、追いかけられたら逃げるだろ!?」
「じゃあどっか行け」
「ふっ。なにを言う親友。俺はいつだってお前と一緒さ龍…」
―ガッ
「え"…」
止めどなくうざったい薫の足を引っ掛けて転ばせ、それを囮にまんまと逃げだした。
「……鬼だ」
「悪魔だ」
「……合理的な生き方と言え」
その後当然、「龍樹の馬鹿!」と涙目で文句を言われたのは言うまでもない。