俺様狼と子猫少女の秘密の時間③


「三納さん三納さん! 彼女ってホント?」


「いいいつの間にいつの間にーっ?」


…来た…。

第二弾…。


他の三人が少し離れた隙に、俺と三納を取り囲むように男女問わず大勢が押し掛けた。


「チッ……」


「と、とりあえず逃げよ」


さすがに事の重大さを理解したのか、顔を引き攣らせながらそう言って駆け出した。


「おおーいおおーいっ」


その後ろから、大群を引き連れて追ってくる三人の馬鹿。


「てめぇら…来んな」


「いや、追いかけられたら逃げるだろ!?」


「じゃあどっか行け」


「ふっ。なにを言う親友。俺はいつだってお前と一緒さ龍…」


―ガッ


「え"…」


止めどなくうざったい薫の足を引っ掛けて転ばせ、それを囮にまんまと逃げだした。


「……鬼だ」


「悪魔だ」


「……合理的な生き方と言え」


その後当然、「龍樹の馬鹿!」と涙目で文句を言われたのは言うまでもない。


< 62 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop