俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
――龍樹サイド――
もう勘弁してほしい。
いい加減、そんな思いが頭を駆け巡りだした。
「…ドンマイ龍樹」
「ドンマイ」
「うんうん」
薫に続き、広西、丘田が肩に手を置いて頷く。
「…お前ら付き纏うだけならもうどっか行け」
「心の支えになってやってるのよ」
腕を組んで胸を張り、えらそーに威張って言うのは、騒ぎを大きくした張本人三納。
「ていうかぶっちゃけ他人事じゃなくなっちゃったものあたし」
「自業自得だろが」
「助けてやったのに」
…頼んでねぇしそもそも助かってねぇんだよ。
「ハァ…。やっと帰れた…な…………え"…」
ようやくうちと薫のアパートが見えてきて、ため息混じりに呟いた薫の言葉が止まり、見る見るうちに青ざめる。
「…?」
震える手で指差された先には…。
「……!?」