俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
最近の俺はキレてばかりな気がする。
そうじゃなくても悠由に会えなくてイライラするのに、追っかけまわされるわ勝手な親仁もいるわで、イライラなんてレベルじゃない。
「…おいお前」
「…ちなみに広西ですがなんでしょう?」
「俺の荷物よこせ広川」
「ちなみに広西ですが荷物なんてどーするので?」
「帰るに決まってんだろ広木」
「ちなみに広西ですが帰るってどちらに?」
「家に決まってんだろが広田」
「……篠原おめー覚える気ねーだろ」
そんなこたどーでもいい。
とりあえずうちに戻って…それから…。
「龍樹?」
何かしら察したらしい薫にタオルを投げつけて、足早に広…………の家を出た。
思わぬ先手を打たれた俺は、心の底で密かに決心を固めた。
……最初からこーすりゃよかったんだ。