俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
早々に諦め、久々に作ってみたお弁当を開いた。
「あら。なあにそれ?」
「これ? えびだんごだよ。先輩が好きなの」
「じゃーこれは?」
「……翔くん卵焼き知らないの?」
「…言ってみただけだろ。んなマジに引かなくても」
先輩にあげるわけじゃないのに、なぜか先輩好みに作ってしまっている。
もはや癖なのかも。
卵焼きも、お砂糖のじゃなくてお出汁のだし。
「ホント、すごい意外性よね」
おにぎりをかじりながら何気に失礼なことを言う杏子。
「なんでみんなそんなにあたしが料理できたら不思議がるの?」
先輩にも、感心どころか感動されてしまった。
料理できたのか…こいつ…みたいな。
「包丁も握れないように見えるんだもの」
「砂糖と塩間違えるようにも見えるぞ」
「火つけたら瞬く間に爆発させるようにも見えるわ」
「……」
こんな人達…。
友達じゃないやい。