俺様狼と子猫少女の秘密の時間③
「なに、心当たりあるの?」
一旦探すのを諦めて広西の家に戻った俺達。
雪菜ちゃんが、ずいっと身を乗り出して聞いてきた。
「い、いや…」
もしかして龍樹のやつ……悠由ちゃんとこに逃げてんじゃ…?
「歯切れ悪いわねー。どっちなのよ?」
「や、なんでもない。気のせい気のせいっあはは」
勝手に彼女の存在バラしたら、今度こそほんっとうに殺されるわ。
いやほんと。
あいつ俺には容赦ねーからな…。
親友だと認めてくれている証拠かっ?
「……違うわな」
親友って言う度にひどい目あうしな。
「ちょっと~さっきからなぁに? どうしたの久遠くん」
「友香ちん」
…この子ってどこか悠由ちゃんに似てる…よな、そういえば。
まあ友香ちゃんには悪いけど、悠由ちゃんのが可愛いかも…。
なにがって、性格が。
またとない天然記念物…。
龍樹の彼女じゃなきゃ即喰ってるよ。
「あー、アイツならたぶん大丈夫。心配しなくていいと思うぜ?」
完全にオチてるからな…。
きっとそうだ。悠由ちゃんのとこに逃げ込むつもりなんだ。
半ば確信を持ち、三人をごまかすことに専念することにした。