教授×モデル
「仕事でね、新しく出来た友達に教えてもらったの!
しかもその子とね、すっごく気が合うの!
好きな歌手も同じだし食べ物の好みも似てて。」


「へぇ~すごいね。
良かったじゃん。仕事が楽しくなるでしょ?」


ずずずっとコーヒーを一口のむ。


「楽しいよ~!
仕事はやっぱ大変だけどその分やりがいがあるし
人間関係も円満だし。
今はすっごく充実してる」


「そっかぁ。
あたしと逆・・・」


いいなぁ。と少し思ってしまう。

だから思わず心の声がもれてしまった。


「えっ…。
なんかうまくいってないの?」


いっちゃんは優しい。

少し言っただけでこんなにも心配してる顔になってる。

いっちゃんには、やっぱり本音で話したい。と改めて思った。

本音じゃなかったら、逆に失礼な気もする。


「あのね…、」


だから正直に今の状態と自分の気持ちをいっちゃんに話した。

長くなったけれど、いっちゃんはずっと、「うん」ってうなずきながら聞いてくれた。

言葉もぐちゃぐちゃだったと思う。

だけど思ってることをぜんぶ話せたから、話し終わってとてもスッキリした気持ちになった。


「ねぇ、まゆ。」


「ん?」


話し終えると、いつになく真剣なトーンで名前を呼ぶいっちゃん。


顔がとても真剣。


それにつられてなんだか嫌な予感のような…

いや、ピリピリした空気になった。

緊張が走る。


「まゆはもしかして…」


「えっ…?」
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