結婚契約~私の旦那さまは碧い瞳の社長様~《完》
 「津村…若菜を落ち着かせる為に、屋上庭園に連れ出してくれ…」


 「わかりました…」



 那月にぃが泣きじゃくる私を屋上に連れ出してくれた。


 屋上の全体が緑に囲まれていた。


 飲物を買ってくると那月にぃは下に降りていった。


 私は一人…ベンチに座る。


 この景色…オフィス街だってことを忘れてしまうよ……。

 那月にぃが私の座るベンチに戻ってきた。
 ふんわりと優しい那月にぃの声が私の鼓膜を擽った。

 「泣き止んだ??」


 「うん……」


 那月にぃは私の好きな缶ココアを差し出す。


 「お前…ココア…よく飲んでいたよな~」


 私はコーヒーより紅茶よりもココアが好きだった。


 那月にぃは私の隣に座った。


 
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