結婚契約~私の旦那さまは碧い瞳の社長様~《完》

 私は神さんを探し回る。

 でも…なかなか神さんの姿が見当たらない。


 「若菜…」


 お母さんが私を呼び止めた。


 「神さんならバルコニー居たわ…それよりもあなたに聞きたいことがあるの」


 お母さんの声も顔もとても真剣。


 いくつかある小さなバルコニーの一つに二人で出た。
 初夏の夜風は少し熱を含んでいた。


 「……あなた…私の居ない間…お父さんに??」


 「!!!?」


 夜風の熱が身体に纏わりつく前に…私の全身から焦りの汗が吹き出した。

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