結婚契約~私の旦那さまは碧い瞳の社長様~《完》
 私と如月さんは二人っきりで座った。


 仲良くアルコールを片手にお客様とキャバ嬢たちの談笑の声が聞こえるけ
ど、何だか緊張する。沈黙から来るこの閉塞的な雰囲気。


 「…君…若菜ちゃんだろ?」


 「……」


 最初に言葉を発したのは如月さん。


 「…家に帰らずに…此処で何してるの??」


 「それは…そのう…」


 赤の他人である如月さんには関係のないこと。何も話すことなどなかった。



 「…古橋氏は君の本当のお父さんじゃあないんだろ?」


 「まあ~」

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