結婚契約~私の旦那さまは碧い瞳の社長様~《完》
 外出するため…津村とエレベーターに乗り込もうと廊下を歩いていた。


 「あ…津村…デスクに大事な資料を忘れた…取りに行ってくれ…」


 「わかりました」

 津村は俺の命令で社長室に戻っていく。


 今日の俺は何だかおかしい。
 きっとあいつらが来たせいだ…。


 いつもならキビキビこなす仕事…。
 ピンといつもなら張り詰めている緊張の糸が緩まっていた。


 大事な資料を忘れるなんて初歩的なミスだ。



 俺は一人でエレベーターに乗り込み。


 一人っきりの空間。


 俺は深い溜息を吐き出す。


 こんなにも…俺の結婚で騒がれるなんて…想定外だ。
< 67 / 240 >

この作品をシェア

pagetop