My Romeo & Your Juliet 【完】
「お前、やる気あるの?」

何回か同じシーンを繰り返した後、岡崎先輩は動きを止めた。

「声小さくて何言ってるかわかんないし…」

「…すみません」



「あと、前から気になってたんだけど…どうして俺のほう見ないの?」

先輩は台本を丸めながら、どんどんあたしに近づいてくる。

「ちゃんと相手の目を見て話せよ」

先輩の口調はかなり強い。



「はい…」

あたしは台本を握りしめて、ゆっくり先輩を見上げる。

岡崎先輩は、真剣な目をしていた。
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