chocolate―泣き虫girlとクールboy―
そう思って、もう1度離れようすると次は強い力で握られた。











「・・・ほんと、白瀬は泣き虫だな」



ゆっくり目を開けると、目の前の大谷くんは穏やかに微笑んでいた。




「でも、俺不謹慎だよな。
俺のせいで泣いてくれてるって思うと少し嬉しいよ」



「えっ・・・?」



それってどういう意味?




「最初見たとき、本当は慰めるつもりなんてなかった。

ただ、我慢している白瀬がほっとけなくて・・・それで傍にいたんだ」



「大谷くん・・・」



「女なんて苦手だけど白瀬だけは違ってて一緒にいて心地よかった。

だからチョコを持ってきてくれたときも、すっげー嬉しかった」


そう言った大谷くんはあの時みたいに笑ってくれた。


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