chocolate―泣き虫girlとクールboy―
「俺、先輩みたいに面白くもないし無愛想かもしれないけど、それでもいい?」




私は首を横に振った。



「大谷くんは、すごく優しくてかっこいいよ…!」





すると大谷くんは暖かい手で私の手を包んでくれた。




「泣きすぎ、白瀬」



「大谷くんのせいだよ」





季節外れの寒さで寒かったけど繋がれた手は、すごく暖かかった。














失恋した日はバレンタインデーの寒い雪空の放課後。



出会ったのはクールなクラスメート。




でも、傍にいてくれたあなたの暖かい手。


チョコレートで知った、あなたの笑顔。



その優しさが私の心をひきつけた。





きっと私があの日、教室で泣いていなかったからこんな風にはならなかった。














失恋から始まる恋も--いいよね。


















fin.



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