投げた恋ボール
かすかに動いた拓馬の唇。


「・・・・・ぇ、、、ん。」

「えッ!?」



「梨花ごめん。思わせぶりな態度とったなら。」


静かな夜に拓馬の声が響く。



「俺なんかにドキドキすんな。俺、この修学旅行から帰ったら、香久山さんにコクろうと思う。」


何言ってんの・・・??


「梨花の気持ちには応えられないから・・・。じゃあな。」




目の前が真っ暗になった。

だんだん小さくなっていく拓馬の後ろ姿。





『行かないでッ、、、』


私の今にも壊れそうな心が叫んだ。





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