投げた恋ボール

俺の思い

～拓馬ＳＩＤＥ～


俺はたった今、大切な人を傷つけた。



本当は・・・。

俺は白石梨花が好きだ。



元気で、周りを楽しくさせてくれるところとか。
小さいくせに気が強いところとか。
何事にもすげー一生懸命なところとか。

それに深い優しさがあるところ。



俺が今日まで野球を続けてこれたのは、梨花のおかげ。



__________________............


俺が甲子園の予選で怪我をしたあの日。

すげー落ち込んで行った、じいちゃんとの思い出の公園。

正直、じいちゃんに野球を辞める報告へ行ったんだ。

だけど、その帰り・・・。


俺は砂に書かれたメッセージに気付いた。

『キミの笑顔が好きです。　ｂｙＲ.Ｓ』

と書かれていたメッセージ。

すぐに梨花だと思った。


あの時。
あえて、俺に声をかけなかった梨花の優しさ。


俺はもう１度頑張ろうと思ったんだ。