投げた恋ボール
_________________..............


すべてを聞き終えた梨花は静かに涙を流していた。


今すぐにでも抱き締めたい。

でもできない。


俺と梨花の前にある見えない壁。
ただただ、自分の無気力さを感じる。


「ただ今日は、優太が梨花のことまだ想ってるってこと伝えたかっただけ。俺用事あるし行くぜ??」


このままここにいたら、俺は自分を見失ってしまう。

だから、早々にその場を立って、帰ろうとした。



なのに・・・・・。
動けない。

梨花が俺の腕をしっかりと掴んでいるから。




< 122 / 147 >

この作品をシェア

pagetop