投げた恋ボール
だんだんと近くなってくる彼の影。


「梨花・・・。」

愛しい人の声がした。


「拓馬・・・??」


「ちょっといいか?」

「う、うん。」



そして、やってき体育館の裏。

拓馬と2人で話すのはこれで3回目。


思いを伝えた修学旅行。
事実を伝えられた夏。


今回もまた、私を突き放すの・・・??


もう嫌だよ??

最後は笑って別れたいよ。



「梨花・・・。」

やっと口を開いた拓馬。

「ん??」




「ずっと、・・・かが、・・・・・・き・・・た。」


そんな涙声じゃ聞こえないよ。


「え・・・??何??」



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