投げた恋ボール

「梨花を見れば、好きって気持ちが大きくなって・・・。高1のクリスマスの日、思わず抱きしめてしまった。」

私だって拓馬を見るたびに、どんどん好きになっていったよ。


「だから、修学旅行のあの日。本当は梨花のこと離したくなかった。」

必死に伝えてくれる拓馬。
愛おしいよ。


「でも、できなかった。幼馴染に俺が勝てるわけがないと思ったから。正直自信がなかった。梨花を幸せにする自信が・・・。」

拓馬と一緒にいれるだけで幸せなのに。


「だから、今日ここまで気持ちを伝えられずに3年間過ごしてしまった。」

泣き顔の拓馬。


「でも今日、最後に伝えられてよかった。じゃあ。」



ずるいよ。
ずるすぎるよ。


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