投げた恋ボール
2度目の夏
ある夏の日の音楽室。


「菜々美。さっきのセクションのときのGのハーモニーあてるところ、毎回高かった気がする。」


「うそ!?気付かなかった。夏だからピッチが上がってるのかも。ありがと。」





みんなが1つの音楽を作り上げようと切磋琢磨している。




完璧なんてあり得ない。

一瞬の響きに命をふきかけて、努力するんだ。





「梨花。8小節目のところもっとフォルテで。」

「はいッ!!」

優子先輩の的確な指示。



私のバスドラムを力強く導いてくれる、

ほのか先輩のスネア。




この大好きな先輩にとっては最後の夏。

去年の先輩達と約束した私の夏。





自分のために、

仲間のために、

頑張るんだ。




拓馬も甲子園に向けて暑い中頑張ってるんだろうな。


拓馬の夢が叶いますように。。。





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