投げた恋ボール
「拓馬、ハッハア...拓馬ッ!!!」



全力で公園に向かって走った。

額に汗がにじむ。

夏の暑さなんか忘れて全力で走った。






____________________..............


公園は静かだった。


まるで世界に私だけがいるように。


でも違った。


遠くに座ってボールを握りしめている君の姿が確かにあったんだ。



(拓馬・・・。)




声をかけたいのにかけられない。


なんて声をかけたらいいのかわからない。



ただただ静かな公園。


この静寂を断ち切れば後には戻れない気がして怖かった。




・・・・・。

帰ろう。。。





< 84 / 147 >

この作品をシェア

pagetop