投げた恋ボール
私は小学校からずっと好きだった幼馴染がいた。


いつも一緒でつらいときは助けてくれて、私にとってはヒーローだった。

ずっとずっと好きで、でも関係が壊れてしまうのが怖くて...



でも伝えたくて、
その子を呼び出したその日。




「ねぇ...あのさ。」

「梨花。ごめん。俺遠くの町に転校する、こと、に、なっ、た。」

初めて見た、泣き顔。



「ごめん。梨花。ごめん。もう守ってやれねーけど、いつでも応援してるから。」

(うそでしょ??)
(何冗談言ってんの?)



「.....う、うそ、だ、よね??」

「ごめん。ごめん。」

「ぅぅうッ・・・・」



私はあの日、ただただ泣くことしかできなかった。

ほんとは笑顔で【頑張って!】って言わないといけなかったのに...



泣いても、転校という事実は変わらないのに、ただただ泣いた。

そして彼は転校した。



だから、恋はしないと決めていたんだ。

終わりが怖いから。




_________できないと決めていたんだ。


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