コードネーム『S』
ハジマリ


―ある日のコト(昔)―


「よろしくっ!!
私、鷺ノ宮スイリ!!」

ニコッと目の前にいる弱々しそうな男の子に笑いかける。


『よっ…よろしく。ボク…橘薫。……一応男だよ?』

「薫…?女の子みたいだね。」


私がそう言うと薫は真っ赤になった。


『うっ…うるさいなっ!!ボクだってイヤだよ!!
……いつもバカにされるんだ』


「何で? カワイくて いい名前でしょ?」


『え?』


『……だからイヤなんだケドな…』



< 1 / 73 >

この作品をシェア

pagetop