コードネーム『S』
ハジマリ
―ある日のコト(昔)―
「よろしくっ!!
私、鷺ノ宮スイリ!!」
ニコッと目の前にいる弱々しそうな男の子に笑いかける。
『よっ…よろしく。ボク…橘薫。……一応男だよ?』
「薫…?女の子みたいだね。」
私がそう言うと薫は真っ赤になった。
『うっ…うるさいなっ!!ボクだってイヤだよ!!
……いつもバカにされるんだ』
「何で? カワイくて いい名前でしょ?」
『え?』
『……だからイヤなんだケドな…』