恐るべし隣の山田メガネ君
しかし、クラスメイトにだけは何としてもバラされたくはない。
だから私も山田メガネ君の弱味を握ってやる事にした。
ふふふ…山田メガネよ、私だってアンタの秘密を知ってんのよ!!
「山田君、アナタそれ伊達メガネでしょう?」
山田のメガネをビシっと指差して言ってやった。
そんな主張の激しいデカイ黒縁メガネかけといて、伊達メガネって何だよ…。
お洒落のつもりか?え?コノヤロウ!
少し間を置いて山田メガネ君は攻撃を仕掛けて来た。
『……だったら何だよ。オマエ自分が腐女子だって今すぐ大声でバラされたいのか?』
図星かよっ!
今のお前の顔は明らかに山田よりもメガネが勝っている。あからさまにメガネが主張し過ぎている!
「…分かったわよ山田君。私も黙っててあげるからアンタも黙っててよね?まぁ、アンタがさっき見たマンガはBLじゃないんだけどね!」
明らかに山田メガネ君が見たマンガはBLだったけれど、悪あがきで一応否定してみた。
『ウソつけよ、お前図々しいにも程があるだろ。』
黙らっしゃい黒メガネ!
「うるさいわよ山田メガネ君。」
そしてこの時から隣の山田健人は、私の中で伊達メガネを掛けているスカした山田メガネ君となった。