恐るべし隣の山田メガネ君

しかし、クラスメイトにだけは何としてもバラされたくはない。


だから私も山田メガネ君の弱味を握ってやる事にした。

ふふふ…山田メガネよ、私だってアンタの秘密を知ってんのよ!!


「山田君、アナタそれ伊達メガネでしょう?」


山田のメガネをビシっと指差して言ってやった。

そんな主張の激しいデカイ黒縁メガネかけといて、伊達メガネって何だよ…。

お洒落のつもりか?え?コノヤロウ!

少し間を置いて山田メガネ君は攻撃を仕掛けて来た。


『……だったら何だよ。オマエ自分が腐女子だって今すぐ大声でバラされたいのか?』


図星かよっ!


今のお前の顔は明らかに山田よりもメガネが勝っている。あからさまにメガネが主張し過ぎている!


「…分かったわよ山田君。私も黙っててあげるからアンタも黙っててよね?まぁ、アンタがさっき見たマンガはBLじゃないんだけどね!」


明らかに山田メガネ君が見たマンガはBLだったけれど、悪あがきで一応否定してみた。


『ウソつけよ、お前図々しいにも程があるだろ。』


黙らっしゃい黒メガネ!


「うるさいわよ山田メガネ君。」


そしてこの時から隣の山田健人は、私の中で伊達メガネを掛けているスカした山田メガネ君となった。


< 4 / 57 >

この作品をシェア

pagetop