恐るべし隣の山田メガネ君

そしてそれから紆余曲折あって、下品な口論の末にめでたく付き合う事になったんだけれども、美鈴は未だにキスすらさせてくれない。


いい加減、キスぐらいさせろっつーの。


『いいだろ?キスぐらい。』


だから今こうやって迫っている。


美鈴を壁際に追いやって唇に照準を合わせる。


「ちょっ、ちょっと止めてよっ!そんな"男同士なんだからキスぐらいどうって事ないだろ?"的な悪ノリ親友男子風味な誘い方はズルイわっ!」


『オイ、何でもBLに例えるな。』


何でもBLに例えて逃げるのがコイツの悪いクセ。


照れ隠しにも程がある。


どんなにBLが好きでも、現実にはオレと付き合ってるんだ。頭の中でBL的妄想を繰り広げるのは自由だけど、オレと一緒にいる時はオレの事を考えて貰いたい。

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