恐るべし隣の山田メガネ君

次の日学校に登校すると、私はすぐに机の中に少女マンガを仕込んだ。

今日持って来たマンガはハチクロ(ハチミツとクローバー)だから、もし隣の山田メガネ君に大声でバラされても大丈夫だろう。

むしろバラされた方が、"ハチクロ読んでるなんて乙女なヤツ!"ってプラスに思われるかもしれない。


フフフフ、今日の私は最強だぞ山田メガネ君。

かかって来いや!


そして既に気持ちだけは勝利者になっていた私は、山田健人が席に着くなり早速あの名前を呼んでやった。


「おはよう山田メガネ君。」


席に着くなり私を見て眉をしかめる山田メガネ君。

デカ黒縁メガネが邪魔して眉毛が見えねぇぞ。

予想通り不機嫌になった山田メガネ君は、速攻で私の机の中を漁ると、仕込んでおいた少女マンガを手に取った。

そしてパラパラとチラ読みする山田メガネ君。


フフフ、どうだ山田メガネよ、今日はBLマンガじゃねぇぞ、チミが昨日見たマンガは幻だったのだよ!


おぉっ!
見る見るうちに山田メガネ君の顔が驚きに満ちて行く。



『プッ……。』



え…?

プッって…今笑わなかった??


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