声の届く場所。
「はい、どぞ」


「ありがとー」


お礼を言いながら、コップに口を付ける。


「ねー、怜ちゃんさ、音楽のテストの最後の
問題、何て書いた?」


「んーと、字?」


「や、下の名前」


「あぁ、高安って書いたよー」


私がそう答えると。



羽衣ちゃんは。





崩れ落ちた。




「え、えっ、羽衣ちゃんどうしたの大丈夫?」
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