声の届く場所。
「え、あ、ごめんね」


「謝んなくていいよ、怜ちゃん。
あたしの抹茶ケーキ、一緒食べよ」


山田君の呟きが聞こえて、謝ると、


羽衣ちゃんがもぐもぐ、と口を上下


させながら言った。


「そ、そう?」


「そーそー。 ほらあ、山田君とやらも良いって
言ってるよ」


羽衣ちゃんは、フォークで私の肩越しに後ろを


指した。
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