声の届く場所。
私は、何となく、一拍置いて廊下に
出た。


「っあ、山田君・・・」


廊下には、今さっき来たみたいな感じの、


山田君が立っていた。


少し、不機嫌そうに見える眼鏡の向こうの


目は・・


「何?」


・・て、言ってるのかな?


「おはよう、山田君。  今日の一時限目
持久走だって。 やだねー、寒いのにぃ」


言った後に、あはっ、て笑った。  


――すると



山田君は頷いてくれた。


「じゃあ、私先に行くねっ」


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