悪魔なキミと愛契約
私は、力一杯ルカの襟首を引っ張り、シキの待つ厨房に向かった。
「あ、サラ様。
おはようございます。
昨日サラ様がおっしゃっていた材料は全て揃っております」
厨房に着いた私を見るなり、シキは爽やかな笑顔で一礼してきた。
「シキ、ありがとう」
私もシキに微笑み、厨房に揃っている材料に目を向ける。
もちろん、ルカの襟首は掴んだまま。
すると、そんな私達の姿を見てシキがフフっと笑った。
「お二人とも、すっかり仲良くなられたのですね」
その一言に、私はルカと目を合わせた。
お互い、精一杯イヤ〜な顔をする。
「誰がこんなヤツと」
「誰がこんなブスと」
ルカと重なった声。
また二人でイヤ〜な表情をすると、さらにシキはフフっと笑った。
「ところで、サラ様。
この材料で一体なにをお作りに?」
「あ、そうそう。
ちょっとみんなでお弁当を作ろうと思って」
「は?
貴様、まさかこの俺にも作れとか、ブスの寝言みたいなこと言う気ではないだろうな」
心底不機嫌な顔のルカ。
私はそんなルカにニッコリ笑って
「うん、そのまさか」
元気にはっきりと可愛く答えてやった。