悪魔なキミと愛契約
「断る」
ルカは無表情でそう言って、踵を返した。
「ちょー、待てって」
ガシっと掴んだのは、ルカの襟首。
グイっとのけ反ったルカの体。
「だからさっきも言っただろ。
おまえに拒否権はないの」
そのままルカを炊飯器の前に連れて行き、不機嫌なルカの後ろで仁王立ちをした。
「ほら。
私は忙しいんだ。
さっさと作れ」
顎で炊飯器をさし、『ほら。急げ』と仁王立ちのまま言った。
すると、ルカの背後で何やら黒い物体が揺れはじめた。
ブツブツと何かを呟き、目を閉じた。
何が起こるのかと見ていると、突然炊飯器のフタがあき、中からご飯が出てきた。
そのままご飯は勝手に三角に握られ、海苔までつけられた。
うわ……
魔力すげぇ…
おにぎり、完璧じゃねーか。
コイツ、海苔までつけやがったよ。
あっという間に弁当箱に並んだおにぎり。
3分もかかっていないだろう。
「さすが、ルカ様。
見事な仕上がりでございます」
私の横からシキが目を輝かせた。
「フン。
当然だ」