悪魔なキミと愛契約


ルカは冷たい声でそう言うと


「シキ、ついて来い」


クルリと踵を返し、シキに命令した。


「はい。 ルカ様」


ルカに一礼して答えたシキは、厨房を去る際に私を振り向いた。


そして、軽く頭を下げ『申し訳ございません』

切なく微笑み、シキが言った。



呆然と立ち尽くす私。


視界の隅で、メイドさん2人がオロオロと私に話しかけるタイミングをはかっているようだった。


弁当箱にキレイに並んだおにぎり。


魔力を使ったとしても、これはルカが作ったおにぎりだ。




――『こんな貧相なもの、この俺が知るわけないだろ』




< 117 / 317 >

この作品をシェア

pagetop