悪魔なキミと愛契約
私がギロリとヘイリを睨みつけると、ヘイリはスーッと地を滑るように私の目の前までやってきた。
「――っ!?」
いきなりのことで、体が動かない。
私の目の前まで来たヘイリは、私の顎を掴むと、クイっと上を向かせた。
「こらこら。
乙女がそんな目をしてはいけないよ。
せっかくの美しさが台無しだ」
「は、離せっ!!」
サッとヘイリの腕を払い、体を離した。
「おかしいな。
私はこう見えて、女性にはかなり人気があるんだけどな」
「………」
「あなたのような美しい女性に避けられるようでは、私もまだまだ未熟者ということ、か」
残念そうにガクリと肩を落とすヘイリ。
わざとらしいんだよ。
その口調も
その態度も。
「用件はなんですか?
はっきり言って下さい」