悪魔なキミと愛契約


ルカが、私の顔をジッと見てくる。


「な、何だよ」


ルカの視線から逃れようと、必死に顔を伏せた。


「見せてみろ」


「は?」


キョトンと目を丸めると、ルカは突然私の腕を引っ張って指先を見た。


さっき、バラの棘で傷の付いた人差し指。


「アイツにやられたのか」


「え? いや、これはバラの棘で――」


って……

……え?


ルカの唇が、傷のついた私の指先に触れた。


とても柔らかくて

とても温かい。


「……ちょ、ルカ?」


突然のことに驚きすぎて、鯉のように口をパクパクと動かした。


おまえ……

一体、なにを……



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