悪魔なキミと愛契約
ルカの唇がゆっくり離れ、私は丸めた目を指先に向けた。
「あ……
傷、治ってる」
確かにさっきまであった切り傷が、あとかたもなく消えていた。
「バラで傷を作るとは。
貴様、一体ここで何をしていたのだ」
「……バラを、手入れしようと思って」
「バラを?何の為に」
「守りたかったから。このキレイなバラを。
それに私、ここに落ちてきたとき数本折ってしまったし」
「………」
わかってる。
どうせまた、余計なことをするなとか言うんでしょ?
「アイツの匂いが染みついているな」
「……え?」