悪魔なキミと愛契約
「貴様、アイツに触れられたのか」
真剣なルカの表情。
初めてみるその表情に、戸惑って声が出せなかった。
「まぁ、無事ならよい。
シキ、念のために医者に診てもらえ」
「はい、かしこまりました」
ルカはシキにそう言うと、ひとりで屋敷の方へ歩いていった。
聞かないのか。
ここでヘイリと何を話していたか。
「サラ様、部屋へ戻りましょう」
「え、ああ、うん」
シキに腑抜けな返事をし、去っていくルカの背中を見た。
守れるかな。
あの背中。
私はスカートのポケットに手を当て、ヘイリからの招待状をグシャリと握った。
行くしかない。
魔界へ――…