悪魔なキミと愛契約


コーっと低く響く、風の抜ける音。


……あの扉の方からだ。


私は誰かに見られていないかと、周りを警戒しながら廊下を進んだ。


一歩二歩とゆっくり足を進める。


扉に近づくごとに、その音も大きさを増した。


扉の前で立ち止まり、ゴクリと唾を飲み込む。


扉の隙間から、微かだが風を感じる。


突然現れた扉。

この向こうには、一体なにが――…?


私はもう一度廊下を見回したあと、意を決して扉に手をかけた。




< 145 / 317 >

この作品をシェア

pagetop