悪魔なキミと愛契約


「………ッ!?」


こ、これ……

階段!?


――『地下へと続く階段は、決して下りないで下さい』


前にシキがそう言っていたけど。

もしかして、これがその階段って事?

マジで!?


前はあんなに階段を見つけ出そうと張り切っていたのに、いざ目の前に階段が現れると躊躇してしまう。


コーっと唸る風。

気を抜いたら、この風に吸い込まれてしまいそうだ。


長い階段は、中間くらいまでしか見ることができない。

その向こうは、闇に包まれている。

辺りは薄暗く、灯りは壁にポツンポツンとつけられているロウソクの炎だけだ。


眉間にグッとシワを寄せる。


もしかして……

この階段、魔界へ繋がっている?


見張りのメイドさんだけ眠っていて、私にはなんにも起こらなかったってことは

これって、ヘイリが仕組んでることじゃないのか?



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