悪魔なキミと愛契約
この足で、魔界へ来いと?
怖くないと言ったらウソになる。
けれど、今こうして階段が目の前に現れて
それを下りないわけにはいかない。
魔界がどんな場所なのか興味もあるし。
なにより、ルカのことが心配だ。
「………」
私は、両手に拳を作り、固く握った。
よしっ。と気合いを入れ、低く唸り続ける風に負けないようしっかりと階段に足をつけ、一段ずつゆっくりと下りていった。
階段の中間程まで足を進めていくと、急に肌寒さを感じるようになった。
確実に魔界へ近づいている。
薄気味わるくて、不安が増す。
気を紛らわそうと、楽しいことや面白いことを考えようとしたけど、全くそういう気分にならなかった。
何だか、生気を吸い取られているような感覚で
段々気分が悪くなってきた。