悪魔なキミと愛契約
「……え?」
ルカの声はとても低く、本気で怒っているときの声だった。
「答えろ。
ここまでどうやって来た」
赤い月明かりが、ルカの横顔を照らしだした。
私を睨んでいる。
今まで、ルカには冷たい言葉をかけられてきたけど
ここまで鋭い目を向けられたのは、正直、初めてだった。
そんなに、ここへ来られては困るのか……
まぁ、そうだよな。
実際、今喰い殺されそうになったわけだし。
足手まといになるもんな……
「……ごめん。
別に、おまえに迷惑かけようと思って来たわけじゃ」
「そんなことを聞いているのではない。
俺は、どうやってここへ来たのかきいているのだ」
「どうやってって……
突然、見たこともない扉が廊下に現れて、それで、その扉の向こうが階段になっていて……」
それで……
と、かたことで言葉を続け、ここへ来た経緯を詳しく話した。