悪魔なキミと愛契約


「ヘイリが言ってた。
おまえの結界は魔界一だって」


「………」


「すごいな、おまえ。
兄の力を越してるってことだろ?」


私が聞くと、ルカはフンと鼻で笑った。


「俺の結界は、確かに魔界一かもしれない。
しかしそれは、皮肉にも自分の身を守るためのものだ」


「……え?」


私がルカを見上げると、ルカはそれ以上のことは語らなかった。


真っすぐ前を向いて飛んでいる。



――『皮肉にも、自分の身を守るためのものだ』



一瞬、ルカの声が悲しげになった気がした……




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