悪魔なキミと愛契約


「そんなにこの人間をここへ残したくないのか?
ならば、貴様がこの私に仕えるか?」


「………」


「大悪魔様に認められているルカよ。
なぜ大悪魔様が貴様を世継ぎに選んだのか皆目見当もつかん。
腹立たしい。人間の血が混じる者が世継ぎだと?
フン。笑わせるな。
この人間をここへ残したくないのならば、コイツの代わりに貴様が私のもとで働け。
屈辱を味わせてやる」


ルカの視線と、ヘイリの視線がぶつかった。

重い沈黙が続く。

ピンと張りつめた空気は、震えがくるほど恐ろしかった。



「……わかりました」


ルカ……?

おまえ、何を……


「兄上のおっしゃる通りにします」





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