悪魔なキミと愛契約
ルカはヘイリの前で、胸に手を当て跪いた。
何言ってんだ、ルカ。
おまえは世継ぎだろ。
コイツの前で跪いてそんなこと言ってんじゃねぇよ。
世継ぎなら世継ぎらしく堂々としてろよ。
人間の血が混じっているとか、そんなこと関係ないじゃん。
「やめろ、ルカ」
私は、跪くルカの前に立ち、ヘイリを見据えた。
「ヘイリ。
おまえの要望、飲んでやる」
「……は?
貴様なにをっ!!」
「ルカは黙ってて」
慌てて立ち上がったルカに言った。
「約束しろ、ヘイリ。
私はおまえの要望通り、ここへ残っておまえに仕えてやる。
その代わり、今後一切ルカに手を出すな」
「おもしろい。
約束しようではないか」
私が動いて何かを変えられるなら、これしか方法はない。
守りたいから。
ルカやシキや。
屋敷の人達みんなを。
コイツのバカな考えに付き合えば、少しは守れるんじゃないかな。
人間の力、このバカな悪魔に見せてやる。
そして、心底後悔させてやるんだ。
フランさんが守ろうとしているもの。
私が守り続けてやる。