悪魔なキミと愛契約
「フランさんとチヅルさんだよ。
2人は、共に一緒にいたいと思っていても、たかが人間と悪魔ってだけでそれを許されなかった。
それがどんなに辛いことなのか……ルカ、おまえならわかるはずだ」
「………」
「私、思ったんだ。
フランさんが、世継ぎにヘイリではなくおまえを選んだ理由。
きっと、おまえには“心”があるからだって」
「こころだと?」
「人を想う心だよ」
私が言うと、ルカの眉が微かだけどピクリと動いた。
シキはルカの横顔を見ている。
「私、見せてもらったんだ。
おまえが小さい頃のアルバムを。おまえ、凄く幸せそうに笑ってたじゃないか。
正直、ビックリしたよ。
あんな顔して笑えるんだなって、感動もした。
愛しい母親に抱かれ、おまえは本当に幸せそうだった。
チヅルさんだって同じだ。愛しいおまえを抱いて、とても幸せそうだった。
だから、またあんな風に笑ってもらいたいって、あの“幸せ”を取り戻したいって思ったんだ。
ヘイリにも、その“心”をわかってほしいんだよ。
だから…確かに怖いけど、私は逃げない」
私は2人を見て微笑んだ。
自分の気持ちはまだ半分くらいしか伝えきれてないと思うけど。
でも……
これが、今の思いだから。
「サラ様……
そのアルバムは、誰から見せてもらったのですか?」