悪魔なキミと愛契約
「もうそろそろ、息子に魔界を任せ引退なさってはいかがですか?」
「……っ!?」
「もちろん。
次の王はこの私です。まぁ、父上が世継ぎをルカにと宣言したところで、国民達はそれで納得するわけがありません」
「なに?」
「父上。何をそんなに恐ろしい顔をしているのです。
当たり前のことではないですか。人間を奴隷として扱う私達が、人間の血が混じる者を王に認めるわけがないでしょう」
コイツ……
人間をバカにし過ぎだろ!!
ふざけるな!!
「ですから私は、今のうちから国民にわからせているのです。
誰が本当に王に相応しいのか。
父上の人間に対する“愛情”のせいで、国の若者達は道をそれ人間界へ行く者が増えているではないですか。
そんなの前代未聞です」
「………」
ヘイリは顔から笑みを消し、鋭い目付きになった。
「悪魔と人間の共存だと?
フンっ。笑わせるな。そんなことができるわけがないだろう。
人間はずっと奴隷として生きていればよいのだ。父上の戯言で乱れてしまった国を、私が立て直してみせる」
「戯言だと?」