悪魔なキミと愛契約
私の前をヘイリが歩き、そのすぐ後ろをついていった。
私の両端には、2人のメイド。
私が逃げないよう、ぴったり体をくっ付けていた。
両端のメイドにどんなに迷惑な顔を向けても、2人とも全く表情を変えずずっと無表情のままだった。
どこまでも続く廊下を歩き、ある扉の前で立ち止まった。
セドリックがドアを開け、また軽く会釈。
ヘイリは私の方をクルリと振り返ると、
「中へ入れ」
自分よりも先に私を部屋へ入れようとした。
いつ何に襲われても反応できるよう、神経を研ぎ澄ました。
一歩二歩と、部屋へと足を進める。
バタンっ――!!
私が部屋へ入ると、すぐにドアが閉められた。
ハッと振り返る。
部屋には私とヘイリのみ。
メイドとセドリックの姿はなかった。