悪魔なキミと愛契約


「こっちへ来い」


身を縮めてヘイリへ目を向ける。


ヘイリは今まで羽織っていた上着をベッドの上に脱ぎ捨てると


「何をしている。
さっさとこっちへ来て、ここに座れ」


部屋の中央に置かれている椅子を顎で差し言った。


恐怖で体が震えたが、そんな素振りは表に出さず椅子に腰かける。


私の前に回り込んできたヘイリ。


ヘイリはシャツの首元のボタンをひとつはずし、更に袖口のボタンまではずしていった。


コイツ……

何をしようっていうんだ?


ヘイリは、グシャリと自分の前髪を掴むと、腰を折って私の顔を覗きこんできた。


思わず身体をのけ反らせる。


掴んだ前髪を軽くかきあげたヘイリは


「いいか、俺の目をよく見ろ」


ただでさえ大きな目をグっと丸め、私の目を見てきた。


ルカと同じグリーンの瞳。

けれど、コイツの瞳は少し汚れた色をしていた。



「俺から、目を逸らすなよ」




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