悪魔なキミと愛契約


「そろそろ始めるとしよう。
サラ、私に捕まっていなさい。場所を移動する」


私は、ヘイリ様が座る椅子に手を置いた。


その瞬間、目の前に歪みが生じ、まるでビデオを早送りしているかのように景色が動いた。


景色が止まって目の焦点を合わせる。


薄暗い場所。


けれど、

私が入れられた牢獄よりは明るい。


石造りのこの場所は、ポツンポツンとオレンジ色の灯りがあるだけで、よく目を凝らさないとモノが見えない程だった。


ルカの顔が、オレンジ色に染まっている。


ルカはヘイリ様ではなく、私を見ている。


そんなに対抗心を燃やされても、私は決して負けないからな。



「さあ、サラ。
ここがおまえの仕事場だ。ここなら思う存分闘うことができる。邪魔者は来ないからな」


「はい、ヘイリ様」


「おまえのやり方で、好きなようにルカを始末するのだ」


「はい、ヘイリ様」


「私は邪魔になるから先に戻っている。
よい報告を待っているぞ」


「はい、ヘイリ様。
必ずルカを始末し、ヘイリ様のもとに戻ります」




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